初めての横浜、そしてKAAT
完全なる棚ボタでチケットをもらった。
瀬央さんの東上主演であり、詩ちづるちゃんの星組デビューでもあるザ・ジェントル・ライアー〜英国的、紳士と淑女のゲーム〜は、私にとっても記念すべき、初・完全1人遠征の公演となるのであった。御園座のチケを失い、大学の友達と予定していた旅行はコロナでタコパに変更となった今、もはやこれこそが私にとっての卒業旅行なのだ。
待ってて、瀬央さん!
はじめての横浜、
そしてKAAT
京都駅の朝8時ごろ、新幹線に乗り込んだ。
東京の方へ行くときは基本夜行バスの為、行き帰り両方新幹線は今回が初。現況下、サッと行って帰ってきなさいと母が行きの新幹線代を出してくれたため、それに甘えた。新幹線こわい!!!!一生お腹がヒュッてするしエレベーターのあの鼓膜がブワってするやつも一生なってる!!!!この速度でどっかにぶつかったら即死だなあ…運転手さんすごいなあ…新幹線の操縦ってどういう操作なんだろう…そんなことを考えながらサンドイッチを食べる。
ヴィドフランスの輝絹(きぬのかがやき)(卵の名前らしい)のサンドイッチ。600円もした。600円もしてまずかったらどうしようかと思ったが、ちゃんとめちゃくちゃおいしかった。よかった。
天華えま様を産んだ大地。別名、近江八幡市。
滋賀、めっちゃ雪深い。
車窓を家や店が大量に流れていくのを見ると、今とんでもない人数の人々の生活のそばを通り抜けているんだなーと思う。調べたらのぞみは285km/h。走馬灯みたいだ。
名古屋だ!!!!こっちゃ〜ん!!!!(なおちゃんボイス)そして御園座組とそのオタクたち〜!!!!
名古屋駅を境に、嘘みたいに春めいてきた。
水平線の奥に海を感じる。
新幹線の速度にも慣れてきて、そしてたぶんサンドイッチが血圧を緩やかに押し上げて眠くなってきたのでしばし眠るとする。新横浜まであと1時間弱だ。
新横浜だー!!!!わー!!!!
駅は割とこじんまりしている。
いい色。
ずっと見たかったものの一つ、桜木町駅に到着。
ザ・横浜な景色を歩く。なんかロープウェー通ってるんだけど!
お天気がいいのもあるかもしれないが、街全体がとても明るく感じる。光ってやがる、、、
あ!
「桜木」と「みなと」のピースが揃った。これで桜木みなとが作れるね。
ザ・横浜を歩いていく。すごい。ほんとに横浜だ。
ソワレまで時間があるので、やりたい事を色々やっていこう。まずはここへ。
ド逆光で失礼、カップヌードルミュージアム横浜です。カップヌードルミュージアムは大阪の池田に同じものがある。でもその池田にはなくて横浜にあるもの、フードコートを目当ての一つにやって来た。
横浜のカップヌードルミュージアムは、展示コーナーとオリジナカップヌードルを作れるコーナー、そしてフードコートの3つに大きく分かれている。まずは展示コーナーを楽しむ。2/23は天皇誕生日。祝日のため、オープンから30分も経っていなかったが多くの人で賑わっていた。
かつて安藤百福がチキンラーメンを試作していた小屋の再現。横には鶏小屋もあった。
カップヌードルの宇宙食、その名もスペース・ラム。この時安藤百福は90歳を超えている。なんだか自分も、今からなんでもできるような気がしてくる。
予約していた時間が来たので、カップヌードルファクトリーへ。(入場時に予約できます)
ここではカップのデザインからスープの味や具材まで、自分オリジナルのカップヌードルを作ることができる。
初KAAT記念ヌードル。周りはファミリーばかりで1人がちょっと恥ずかしく、雑に塗ってしまった。でも一応、ポスターのフォントを見ながら描いた。
所在なさげなmyカップ
麺を入れ、スープと具を選ぶ。「何味になさいますか?」とお姉さんに尋ねられた瞬間、何故か脳裏に浮かんだのはパップーだった。カレー味にした。具はフィーリングで、コーン、卵、チェダーチーズにインゲン。千秋楽の幕が無事開いたら、それを記念に食べるとしよう。
そしてメインイベントのフードコート。主にアジア圏の8種類の麺が食べられる。
ここがマジですごかった。
え?
外国?
完全に外国。
ご丁寧にバイクが走るSEも流れ、没入感が半端じゃない。
ここはタイの服や雑誌などが置いてあるゾーン。店先やん。
食券機や店員さんの水筒が、現実に引き戻してくれる。外国じゃない。日本だ。マジ?
8種類の麺料理の中から何を食べるか迷った挙句、唯一見たことも聞いたこともなかったカザフスタンの麺料理、ラグマンを注文した。店内は全て食券システムである。
これがめっっっっっっっっっちゃうまくて……………………………。
まず麺がもっちもち。こういうフードコートの麺ってブッチブチ切れるのをもはや味として楽しむみたいなとこあるじゃない、学食のうどんとかさあ。でももっちもちなのよ。そんで肉が羊肉なのよ。400円で羊肉食わせて大丈夫!?潰れない!?
ベースはトマトなんだけどいろんなスパイスと野菜の甘みと羊肉の風味が合わさってはじめて食べる味なのにめちゃくちゃしっくりくる…うまい…。
絶対このうまさ、どこかで話題になっているはずとお得意のTwitterパブサをキメてみたら、「現地の味には及ばないけど…」みたいな意見が目立っててムカついた。こんなに美味しいのにまだ現地に及ばんの!?現地ヤバ!!食べたい……
カザフスタン。今ユーラシア大陸を揺らしまくっているロシアの影響を受けている国の一つ。あとはウズベキスタンやウイグル自治区なんかでもよく食べられているらしい。気兼ねなく赴いて、現地の味を楽しめる日は来るだろうか。美味しいものを食べて平和に暮らす以外に、本当に必要なことってあるだろうか。美味しさへの感動と、店内の雰囲気も相まって、すこし頭が煮詰まってしまった。
さらばカップヌードルミュージアム。フードコートがまじで何回でも来たいクオリティだったので、きっとまた来ます。その時にはまた公演のカップヌードルを錬成したい。今度はちゃんと時間をかけてカップをデコるぞ。
時刻は12時過ぎ。まだまだ時間はあるので、次の目的地へ。
道中、桜木みなとの完全体があった。
もし私が音高生なら、何日もかけて厨二びょ…カッコいい名前をあれこれ考えると思うから、「住んでた町の名前でいいや」と思えるずんちゃんの自意識のてらいなさが眩しい。いつか絶対KAATで主演して欲しい。周りにこんだけ桜木みなとが溢れた町だから、ずんちゃんのオタクも絶対楽しいよ。
横浜中華街にやって来た。
あえてメインストリートではなく脇道をゆく。より地場感があって良い。
思わず1人「さいっこーじゃん…」と呟いてしまった看板群。
写真には収めていないが、メインストリートはかなり賑わっていた。人気のお店には何人もの行列ができていて、店前での飲食禁止の張り紙の前では何人もの人が小籠包を啜っていた。次来たときは食べ歩きもしたいな。何となく、これは1人じゃなくて誰かいたほうが楽しい気がする。いこーだれかー。
脇道を歩いて5分、行きたかった服屋さんに到着。
肩掛けの鞄を買った。
実は私、チャイナ系の服がめちゃくちゃ好きなのだ。立襟でチャイナボタンがついた服があったら絶対に買ってしまう。
実は今日も、中華街のために来ましたみたいなコーデである。
突然やばい人を載せて申し訳ない。
これは前日何着て行こうか考えていた時の自撮りである。焦げたドンキホーテドフラミンゴみたいなジャケットはやめておいたが、それ以外は採用した。
そして購入したのがこちらの鞄。趣味が丸わかりである。それにもう贔屓は雪組ではないのに、緑を買う癖が抜けない。
こちらも行きたかった、中国の食材が揃うスーパー。
ア〜〜最高。こういうの永遠に見てられる。
フィーリングで好きなもの購入してどんな味か確かめる会やりたい。
だが今回は工芸茶に月餅と、安定をいく。
翌日夜撮影。おいしかったンゴ
ここで事件発生。14時にマチネ終演と思い込んでいたら、13時半過ぎ時点でマチソワの間に会う予定の友達がもう感想を呟いているではないか。まだまだ行きたい店はあったが、1回で全部行けちゃってもつまらないので、また次回。次はベタに食べ歩きもしたいな。
急いでKAATへ向かった。
KAATだ。友達もいた。Twitterでは超なかよしだし文通もしてるけど会うのは初めて、そんな友達である。あ…はじめまして…。
インスタで調べた、CHILLULU CAFEなる中華街のおしゃんなカフェで喋る。2人とも飲む前に写真を撮り忘れ、飲みかけの写真が残った。友達はいちごミルクタピオカで、私はマサラチャイ。犬同伴がokらしく、かわいいイッヌが何度かテラス席の方へ向かっていった。
お互いのこと、お互いの贔屓のことを話した。不思議と緊張はなかったし、すごいべらべら喋った。彼女がこいつ変なやつだと思っていない事を祈る。
また遊んでね。(服の系統が違いすぎておもろい)
さて、本当に本当のメインイベント。
よく見るやつ撮れた。うれしい。
あと噂通り反射避けるの難しい。
KAATだ!KAATに来たぞ!
楽しみ〜〜星組さん〜〜!!!!
結婚
結婚です。アーサーともロバートともメイベルともガートルードともトミーともフィプスとも、結婚したい。結婚して下さい。みんな理想の夫(妻)。
でもローラのことが一番忘れられないな。りらさまのお芝居、本当に良かった。
ガートルードのほのかちゃんの清廉潔白さやたおやかさが醸す美しさと、りらさまのローラの知性や貪欲さから成る美しさが、質量というか濃さというか、天秤にかけるみたいにぴったり釣り合っていて。アーサーは彼女らの自立した美しさに惚れてたんだろうなって。メイベルちゃんにも、きっとそんな気の強さがあるし。
瀬央さんはこういう戯曲的な、全体が芝居がかった台詞を喋るのがめっちゃうまいですね。実はちょっとSLRRでその難しさを感じてもいたので…。
だからオスカーワイルドという題材を選び、宝塚という土台と瀬央さんの持ち味を鑑みてキャラクターと物語の構造を色付けした田渕先生の慧眼はまじすごいと思った。
先生のオリジナル作品は私にはまだ刺さらないことが多くて、でもそれは、今の私には読めない文脈があるってだけで、巷でよく見る「今回はいい田渕先生」みたいなことは傲慢だと思ってるし言いたくないんだけど、今回のジェントルライアーで、田渕先生が描きたいテーマというか、ラブラブ異性愛を正面からは描かない、けどそれをちゃんと信じてはいる、みたいな姿勢が見えた気がして、それはすごく素敵だと思った。
みんなの中に色んな理想の夫(妻)があると思うけど、私は結局あかさんかもしれん。一幕ラストのコート姿、あそこだけじゃもったいなかろう。真面目さと、それゆえのおかしみがチャーミングで、でもやる時は信念があってカッコいい。
(2幕の下院議会の場面、パンフに記載されてる場名が「ラスト・ゲーム」なのオシャレすぎるでしょ、田渕くんたらもうー!!って背中バンバン叩きたい衝動に駆られる)
あとさ、これ、言っていいのかすごく迷うんだけど、ロバートは表向き、完全に実力で成り上がった、知性と品格に溢れる理想の紳士であったわけで。でも1人の女性が持つ秘密によって、人知れず焦燥し、地位や名誉、いやそれよりも妻の愛を失う事を酷く恐れている…。表向きは強く、正しく美しい理想の夫として取り繕いながら、その実友人のアーサーや妻のガートルードに縋り付いている…。そんな、ロバート・チルターン卿………。
めっちゃ
興奮する……………………………………。
先程の発言は酔っ払いの戯言だと思って、どうか忘れて下さい。
これが、KAATに行くことに次ぐ、今回の旅の目的である。崎陽軒のシュウマイ弁当〜〜!!!!fooo〜〜!!!!意外とシュウマイ以外が多い〜〜!!!!
本当はチャーハン弁当を狙っていたんだけど、もうこのシュウマイ弁当以外悉く売り切れていた。次回リベンジ。
シュウマイ弁当というけれど、鮪の漬け焼き、蒲鉾、卵焼き、唐揚げ、筍煮…とさまざまなおかずが絶妙なバランスで箱に収まっていて、全部白米とお酒に合う。個人的にはタケノコが甘辛くてめちゃくちゃ美味しい。
時々甘いものが欲しくなって、アンズを齧る。何もかもが計算され尽くされ、この箱の中に配備されている。
食べて、感想を呟いて、飲んで、しているうちに私の身体は時速285kmで関西へ戻っていく。日帰りだったけど、とても楽しい旅だった。
また行きたい。色んなところに遠征して、こうやって記録していきたいな。
だから頑張って働いて、お金稼ご。春から社会人になるのが憂鬱だけど、自由に使えるお金が増えることは希望でもある。
次の遠征は多分、ブエノスアイレスの風かな。日本青年館ってどの辺?次回、東京編?ワクワクを糧に、それまで頑張って生きるぞ。エイエイオー。
楽しい旅をありがとう、横浜。そしてKAAT。
おわり